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執筆者の写真Sanche

INTERSECTION vol,01




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VIRGOwearworksのPRESSのサンチェが世に出ていない裏話てきなトークを聞き出す企画「INTERSECTION」の第一回目が公開。


ブランドがスタートする前や初期の頃から見てきた二人、ORANGE RANGEのスタイリストを長く担当している徳永 貴士氏と沖縄出身の5人組ロックバンドでベースを務める YOH(ORANGE RANGE)氏をゲストに迎え、Director/DesignerのYu Kitajoを交え、普段と変わらない日常会話的な対談をお楽しみください。


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サンチェ「今回ブランド20周年の企画で徳永さんとコラボジャケットを作りました。その流れも汲みつつ、VIRGOwearworksの設立当初から繋がりを持つORANGE RANGEのYOHさんを加えて、 今まで紐解けなかった部分を掘り下げたいと思っております。お二方、よろしくお願いいたします」


徳永「サンチェって司会できんだね」


サンチェ「いや、初めてです(笑)」


YU「彼、これからは編集部長としてやっていきますんで」


YOH「ははは(笑)」


徳永「なんか毎回やってんじゃん。こういうの」


サンチェ「インスタライブの対談とか、コロナの時は配信でやったりとかしましたね」


YU「インスタだともうカットできないんで。発言とかもうそのまんまいっちゃうから」


サンチェ「ライブ配信なんで。編集とかも出来ず」


YU「めちゃくちゃ当たり障りなく話す人か、関係なく喋っちゃう人か、極端に分かれるのが面白い企画ではあるんだけどね。さっきスタッフにお願いしたコーヒー、もう一生来ないですね。始めちゃいましょう」


サンチェ「大丈夫です。今準備しておりますので(笑)。それでは、まず20年前の3人の出会いについてちょっとお聞きしたいなと。スタートのきっかけは徳永さんからのアクションがあったかと思うんですが」


YOH「原宿のとんちゃん通りにあったWESTSIDE(※1)というショップに徳さんに連れていってもらって、それが最初のきっかけだと思います。まずお店を紹介してもらって、その時に店頭に立っていたのがYUさんだった」


徳永「あれ。けど元々さ、なんで俺あそこ行ったんだろうね。実際」


YU「ORANGE RANGEのスタイリングを担当することになって、WESTSIDEに目をつけたみたいな感じなんじゃない?」


徳永「多分あそこにSTUSSYがあったのよ、元々」


YU「そうそうそう」


徳永「で、STUSSYが抜けて。なんか、あ、ストリートのショップまた入ったなって思って見に行ったんだよ。ほんで「 服貸してくれるんすか?」みたいな話をしたんだよね。そこに喜多條くん(YU)がいたんだ」


YU「そうそうそう。お、コーヒー来た。私、カプチーノのホットね。ありがとう」


徳永「俺とYOHはアイスねー」


YU「これ、ウチのスタッフが焙煎したコーヒーなんで」


山口「2FのVIZ-BARでダイキくんが用意してくれました」


YOH「お。美味いじゃないですか、さすが」


サンチェ「豆からやってるから時間がかかっちゃうんですよね」


徳永「本当に?」


サンチェ「えぇ。美味しいやつです」


YU「さてさて、話をWESTSIDEに戻しましょうか」





徳永「けど、あれだよね、あの角に店なかったら俺さ、多分行ってないんだよね」


YOH「めっちゃ運命的」


YU「実際、あのお店ってWSがロゴだったからワーナー感もあったし、でもなんかスケートとかストリートでちょっとSTUSSY感もあるっていう」


YOH「そうだったかも。なんか色々と思い出してきたな」


YU「本当にSTUSSYと思って買ってく人が何割かいたから、最終的になんかレジ会計ぐらいでSTUSSYじゃねえなって気づき始めるっていう(笑)」


徳永「なんだっけ、ワイルドスピードじゃなくて」


サンチェ「WILD STYLEですね 、ブランドの方向性的にちょっと雰囲気的にはSTUSSYに似てるというか」


徳永「一応、アメリカでしょ?」


YU「そう、ロサンゼルス」


徳永「で、俺がさ、最初行き始めた頃にYOHとか他のメンバー何人か連れてったんだ」


YU「やっぱ当時のORANGE RANGEって 若くって、突然もうドカーンみたいな感じだった。タイミング的には上海ハニー、ロコローションぐらいだった気がする」


徳永「2003年とか2004年だっけね。 YOH、その時坊主だったよね?」


YOH「そんな時期もありましたね(笑)」


徳永「俺はその時期からプロモーションの撮影とかORANGE RANGEのスタイリングをお願いされたんだよね。レコーディングしてるスタジオでそのまま撮影ってなってて。で、YOHはほら、体調崩していなくってさ。いや、だって俺さ、すごい衝撃だったんだよ。 メンバーが揃わないまま撮影やるんだ?って(笑)」


YOH「あの時期はマジで大変でしたね。身体を壊してでも分刻みのスケジュールをこなすことが正義、みたいな時代っていうか。もうできないと思う」


YU「何の撮影??MVとか?」


徳永「とある音楽情報誌の撮影かなんかだったんだよ」


YU「YOHさん、なんかあれ?卒アルとかの枠で、こう出てきたの?(クラスの集合写真の休みの人の出方)」


YOH「本チャン見てないけど多分(笑)。本当にベッドから一歩も動けなかったっすね。絶対安静ってドクターストップかかっちゃって」


YU「その時ってYOHは何歳?」


YOH「19とか20歳とかかな。一つ一つのスケジュールをコントロールする術もまだ身についてなくて。コンディションが崩れたのはその辺もあったと思いますね」


YU「つうかね、まだ若いし」


徳永「あん時さ、誰かしら体調悪くしてたよね」


YOH「マジで。精神面含めて、俺はベストなコンディションの時なんて一日たりとも無かったかも(笑)」


徳永「それがWESTSIDEに行く直前くらいか。あん時、取材やら撮影やらいっぱいやってたもんね」


YU「で、そのORANGE RANGEの衣装で借りに来てた頃の途中から、立ち上げたばかりのVIRGOをお店で置かしてもらうようになって、、、付き合いはそれからだと思うんだよね」


徳永「VIRGOって始めはWESTSIDEに置いてたもんね。ちょっとだけ」



YU「そう、本当に1番最初の帽子やTシャツをWESTの端っこのところで」


徳永「小さなスペースでやってたよね」


YU「店内にVIRGOコーナーみたいなのを勝手に作って、 スタッフ全員も息かかってるから売ってくれんじゃん(笑)。で、徳ちゃんとかにも借りてってもらって、なんか色々してもらったりとかしてるうちに…」


徳永「YOHがお店に来た」


YOH「覚えてますよ、行ったの。最初はRYOも一緒にいて…」


YU「なんか会った感じさ、メンバーでいったらRYOなのかなみたいな。その…」


YOH「相性?」


YU「そうそう」


YOH「合うのがね(笑)」


YU「合うっつうか、その、話が早そうなのは。ちょっとハードコアっぽいっていうか、やんちゃっぽいし。YOHは結構なんかお兄ちゃんなんだ?っていうのかな」


徳永「RYOはやんちゃなんだけどね、YOHはね、しっかりしてた。そうなの、昔っからちゃんと」


YU「YOHって最初すごいなんか物静かなイメージで、なんかこう…当たり障りなく関係値が形成されていくのかなっていう」


サンチェ「入口はそうでしたね」


YOH「誰に対してもそんな感じで入ってますね。まずは最初、様子見からっていうか」


YU「で、VIRGOは事務所を借りるようになって。民家の屋上に」


徳永「あ、あそこ?あそこ良かったよね〜」


YOH「中庭つきの事務所ですよね?俺、ちゃんと覚えてますよ」


YU「いや、どっちかって言うと中庭に事務所がついてるみたいな(笑)。そこにYOHが来てくれた」


YOH「その時も徳さんに連れていってもらったんですよね、確か」


徳永「それをきっかけに、YOHは1人でVIRGOチームと会うようになっていったんだよね。基本、メンバーみんな連れてったと思うけど… あ、YOHが繋がるんだって。俺の中では不思議な感じがしたの。でも、やっぱ喜多條くんのバンドマンっていう空気感が下地があるから、そこがきっと共鳴しあったんだろうね」




YU「お互い楽だったって言っちゃうとちょっと言い方が違うかもしんないけど、バイブスが合ったっつうか、波長が多分似てるとこあってさ。そんなに肩肘張らなくても、普通に遊べたところがあったのかもしんないよね」


YOH 「こっちからしたら東京は知らない街だったんで。言わば草の根活動みたいな感じっすね(笑)」


徳永「いろんな人のところにこう、ね」


YOH「そうそう、人間性もしっかり見て。各方面に繰り返しやってた時期だったかも。対人の感覚っていうか、見抜き方はそこでかなり鍛えられましたね」


YU「その辺の原宿周り、結構友達増えてたもんね。いろいろ人間をウォッチしてたのね」


サンチェ「WESTSIDEの近くにReissue(※2)ってカフェバーみたいな。そこがちょっと原宿界隈の人らの溜まり場にもなってましたね。YOHさんもそこよく顔出してて」


徳永「あったあった、とんちゃん通りの2階のね」


YOH「あぁ、ありましたね。懐かしい」


サンチェ「店がてっぺんで終わってもそっから。店の中でみんなで朝まで飲んだり」


YU「ま、今もあるんですけどね」


徳永「え、まだあるの??」


サンチェ「オーナーが変わって」


YU「テナントとしてはある」


サンチェ「立体的なカプチーノみたいなんかもこもこのやつ。ああいうのでバズってます」


徳永「へー、そうなんだ」


サンチェ「結構なんかイラストレーターとかいろんな、2.5次元とか、そういう人らが集まる場所になってます」


YOH「今は 雰囲気がまた違ってるんですね」





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自分から見たYUさんは一見イカつい見た目だったけど、きっと根は優しいんだろうなって直感で思いましたよ



サンチェ「ずっとアンダーグラウンドのシーンで音を鳴らし続け、バンド休止の流れから原宿のアパレルに入ったYUさん。同じく音楽で 沖縄を拠点としながらも、若くしてバンドの主戦場を東京のメジャーシーンにまで広げていたYOHさん。そんな2人を繋げてくれたスタイリストの徳永さん。結構ね、濃い3人が揃ったなと思うんすよ。だから第一印象はみんなそれぞれどう思ったのかなと」


YOH「いやー、20年前ですからね」


徳永「だからもう、俺の中でYOHは倒れてたわけよ」


(一同爆笑)


徳永「第一印象って、もうそれだからさ」


サンチェ「確かに。徳永さんから見たYOHさんはそうっすよね」


YOH「自分から見たYUさんは一見イカつい見た目だったけど、きっと根は優しいんだろうなって直感で思いましたよ。決して悪い人ではないなって。徳さんはいつも明るい顔で、ものすごい量の服を沖縄の撮影に持ってきてくれてたイメージです(笑)」



徳永「よく一人で、、、」


YU「それはめっちゃ大変だよね、、、」


YOH「うん。メンバーも多いしね、、、」


YU「俺、OAUのメンバーのコーディネートとかもやってみてさ、スタイリストってすげえ大変なんだなって。マジで。しかもワンコーデじゃないじゃない?」


徳永「最初の頃なんて日帰りだったよ」


YOH「それは明らかにこっちが悪いですね。すいません(笑)」


YU「徳ちゃんはもうこのまんま。何も変わんないな。なんか別にイキってこないし、威張ってもこない。本当、このまんま」


徳永「いや、 途中あったんだよ、俺も。ちょっと尖ってる時あった。ここには多分、見えないところなんだろうけど、やっぱね、そんな時あった」


YU「まぁまぁ、若いしさ、だって」


徳永「そうね、20代中盤でレンジのスタイリングやって、他もやってて割とこう…乗ってくるとさ、ちょっとさ」


YOH「へー。ウチらと出会った後に?」


徳永「そう、出会った後。すげえ調子づいてたと思う」


(一同爆笑)


YOH「いやいやいや。徳さん、マジで変わんないすけどね(笑)」


徳永「変わんないんだよ。うん。けど、やっぱりなんかね」


YU「立場に変化があるとね、それで見られちゃうんです」


サンチェ「会った場所ですかね。こう、前から知ってる人から見たらイメージは変わらないんだけど、そっからまた5年後に新しく出会った人は印象が変わっちゃう」


徳永「そうね」


サンチェ「スタートが違う」


YU「稲穂のように生きようって、そういうことなんですよね。大きくなるにつれて頭をたれていけ的な」


YOH「しっかり突き詰めたら、やっかみも幾許か含まれてそうな香りがプンプンしてますけどね(笑)」


YU「スタイリスト業界も結構そういう浮き沈み、結構激しいっすよね。なんか噂で色々 やっぱり聞くもんね、俺らもでも。あいつが調子乗ってる調子乗ってないとか、何の車乗ってる乗ってないとか、 干された干されてないとか、結構入ってくる」


YOH「詳細まで?」


YU「そう。でも結局さ、裏方と言うか人があっての話じゃん言うて。虎の威を借りた感じになっちゃうというか。だから、そこをなんかうまくバランス取れてフラットが1番いいんだろうけど、 フラットでいてもそう言われたりするからね」


YOH「あぁ…こっちはフラットでいても相手が色眼鏡で見てきて、勝手にオラついてるパターンだ」


徳永「でもさ、あの時代のさ、ORANGE RANGEの担当やってるっつったら、やっぱなんかあの人調子乗ってるよね若いのに、みたいに言われんだよ。うん」


YOH「それ徳さんのこと、きっと何も知らない人ですよ」


徳永「そうそうそう」


YU「で、このキャラだからさ、みんなに「ありがとうございます、お疲れ様でした!」ってキャラじゃないじゃん。うぃーとかじゃん(笑)」


YOH「それは異議なし」


YU「そうなる可能性も、あるかもしれないよね。知らない人だったらね」


徳永「あとね、怖いって言われてた」


YOH「えー、それも全然イメージないっすね」


徳永「基本レンジも変わんないもんね。みんな根本は本当に変わんないんだよね」


YU「ていう感じですね。はい。俺はYOHさんはさっき言った感じかな」


徳永「ORANGE RANGEは、メンバーでYOHが1番尖ってる時もあった。絶対折れないところがあるの。けど、それがあったからこその今現在なんだろうっていう。そう、だからずっとブレなかったよね。 YOHは変わらないよね、もう本当にね、ブレないんだよ。まーみんなブレてないけど」


YU「説得力はやっぱ。ここ10年ぐらいでめちゃくちゃオレンジレンジは出たよね。本当にバンドとしても人としても」


YOH「まぁ、結成から数えてもう23年目っすからね。ライブに関しては現場主義でずっとやってきたので、そこが良かったのかなと思います。00年代初頭のフェスも経験して、バンドシーンの戦国時代って感じで大変だったけど、同世代がいない中でも乗り越えられたし。あの経験は大きかったですね」





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キーはこのYOHとVIRGOのラインなんだよね



サンチェ「結構珍しいと思うんです、20年ずっと関係を保ちながら付き合っていくって。そういった出会いの中で、なんかお互いに「この人は信頼できるな」じゃないですけど、グッと深まったきっかけみたいな瞬間ってあったんですかね?」


YU「なんなら VIRGOが始まったと同時に繋がった2人じゃん。結構レアなんだよね。その前はバンドとかさ、 途中とかも もちろんいっぱいいるんだけど。VIRGO設立っていう座標を軸にして当時からずっと付き合ってる人って片手で数えるぐらいしかいないんじゃないかな」


徳永「俺は YOHがいるからVIRGOとある種、ずっと濃く繋がれてるところはあるよね。やっぱYOHが着るし、なんかYOHにハマるものが多いっていうのもあったからさ。今はメンバーみんなさ、それぞれが繋がりあったりするじゃん。そういう仲の良いブランドをさ、俺は選びたいじゃないけど… やっぱり、せっかくみんなお世話になってるし、ちゃんと盛り上げていきたいなって言ってたからね。だからそのスタートというか、キーはこのYOHとVIRGOのラインなんだよね」


YOH「でも、誰々が着てるから自分はちょっとVIRGO着るのやめとこうみたいな。それはちょっと取っ払っていきたいんですよね。 多少のリスペクトもあってのことだとは思うんですけど。そういう気遣いは今後はいらないんじゃないかなって」


YU「うんうん」


YOH「好きな服があればみんな全然着ていいし。なんていうのかな、いろんなスタイルやファッションがあって良いとずっと思ってて。みんなのVIRGOだしね」


YU「うん。やっぱね、うちのブランドコンセプトは仲間のためのユニフォームというコンセプトなんで、被りじゃないんですよ。忘れがちなんですけど。で、こんな良い話してるのに堀さんは今眠くなっちゃってるみたいな?」


徳永「眠くなって来たの??」


堀「いえ。ボスの仰るとおりです」


サンチェ「堀さんも、もうVIRGO15年目ですもんね」


YU「はい、こんな感じで毎日飽きなくて助かってます」


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初めてオリジナルでスウェットを作る時に考えた結果、紫一色だった。お金がなくて。そりゃ売れねえよ



サンチェ「初期の頃から何度も徳さんがリースに来てくれてますが、20年経って、今は VIRGOというブランドをどのような視点で見ていますか?直近で感じた印象など、お二方の意見を率直に」


YU「そうだよね。ずっと見てくれてるから。逆にウチの売れ方もそうだし、作りもそうだし、デザインもそうだし、関係値もそうだし。気になるね」


サンチェ「ウチら的には真の部分は変わってないはずなんですけど、やっぱ時代の流れとか色々」


徳永「いや、時代の流れ、流行りは変に感じさせてないよね。多少は寄せたりしてるんだろうけど、そのラインとかね、やっぱぶれないところはちゃんとあるから。そこはちゃんとファンがつくアイテム作りがされてる所以なんだろうね。積み重ねっつうかさ」


YU「初期はTシャツ3型、メッシュキャップ3型ぐらいから始まったんだよ」


YOH「その時代は知らないかも」


徳永「俺、紫のメッシュキャップ覚えてるからね」


YU「そう。紫か黒しか作ってなかった」


サンチェ「最初に出したパーカーも紫」





YU「初めてオリジナルでスウェットを作る時に考えた結果、紫一色だった。お金がなくて。そりゃ売れねえよ」


サンチェ「そうでしたね」


YU「いや、無知って怖いからさ。もう本当、工場に騙されてたんだよな。騙されてたっていうか、紫色のスウェット生地は世の中にないって言われたんだもん 失笑」


徳永「それで押されたってこと?」


YU「だから、1から生地を作るしかないって言われて。いや、実際めっちゃあんだよ」


徳永「あるよね」


YU「いや、そうなんすねつって。1から生地作って、でもやっぱ1反じゃなかったよね。2反ぐらい確か作らされて、わかんないから作るじゃん。そうすると、他を作るお金がないから、じゃあ紫だけでつってさ」


徳永「それはしてやられたね」


YU「してやられたってか。ウチの言い方が悪かったのか」


徳永「けどあれだよね、紫は最初の軸になったから」


YOH「うん。そのイメージはめっちゃありますね」


徳永「今でこそ全然ないけどね(笑)」


YU「えっと、ひとついいすか?VIRGO=紫っていう人、多分結構古い人です(笑)」


YOH「ははは(笑)。まさに、00年代っすね」


YU「そうそうそう。本当に」


徳永「大人めになったと思うけど、こうやって見てても変わらないアイテム作りじゃん?」


YU「変わらないアイテム作り。今ちょっともうキャッチコピーにしか聞こえませんね」


(一同爆笑)


徳永「ポンつって、デカ文字ね(笑)」


サンチェ「YOHさんはどうですか?20年経っての変化的なもの」


YOH「あぁ…変化か…(周りに展示されている服を見渡す)」


YU「2人とも、ずっと見てくれて」


サンチェ「見てくれてるプラス着てくれてる」


徳永「YOHは1番着てるからね。YOHが1番わかる」


YU「バンドマンでは一番長いから」


YOH「そうっすね。大人っぽくなったってのはすごい表面的な言い方になっちゃうんですけど、実感としてそこが強いですね。でも、それだけじゃなくて普段でも着やすかったり、かっこよく着れるっていう部分に着地点を設定してるんだろうなって。そこはVIRGOらしいというか、変わんないポイントなのかな。こうやって眺めていると、VIRGOがどんどん進化していってるのを改めて肌で感じることができますね」


徳永「最近さ、YOHの衣装として持ってったつもりがHIROKIとかRYOが着たりしてんのよ(笑)」


YOH「それはめっちゃ嬉しいですよ。徳さんが持ってきたVIRGOの服をちゃんと見てくれてる証拠なんで」


サンチェ「徳さんプラスアルファで服結構たくさんピックしてくれるから。毎回ね」





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この首裏の「楽」っていう1文字は徳ちゃんぽいなって思ったし。後付けなんだけどさ、 楽しいとか楽だとか、音楽の楽でもあるし。なんか良いじゃんって。



サンチェ「VIRGO20周年の流れで決まった徳永さんとのコラボアイテムについてお聞きします。作ろうってなったきっかけとかってなんかあったんですか?」


徳永「「なんか作ろうよ」って俺がずっと言ってたの。そしたら喜多條くんが「じゃ来てくれよ」っていっつも言ってくれてて。俺がバタバタしててずっと時間とれなかったけど、今回たまたま「 今ちょうど作ってるから」みたいな。「じゃあ行くわ」つって今回作ったの」


YU「徳ちゃん、定期的になんかそのモードはあるのよ。10年前にも一緒にコラボでデニム作ったし。ちょっとデザインがちょっとトンガってるやつね」


徳永「ビッチビチだったからね、もう(笑)」


YU「ストレッチの入ってねえ、キチキチの細めのデニム」


サンチェ「ノンウォッシュのスリムでしたね」


YU「とんでもねえラインがガツって入って、赤黄青とか」


YOH「あ、 俺それ見たことあるかも」


YU「やっぱね、一部の層には刺さるんですよ。これ、めっちゃおしゃれだねって」


徳永「やりたかったことを、ただやってみた。でも、ちゃんと消化してくれたからさ。洗いかけたりね」


YU「そうそう、 やったやった」


徳永「加工したら、ちょっとまたかっこよかったね。あのデニム良かったよね。でも、今回に関してもさ、気分だよ」


サンチェ「徳永さんが作りたいもの、からのスタート」


YU「ピエロっていうキーワードで前からちょこちょこ話はしてたんですよ。なんかやろうみたいな感じはしてて。

「ベトジャンみたいな感じでやろうよ」みたいな」


徳永「久しぶりにスカジャン?いや、やっぱシャツがいいんだよね。スカシャツにしようよ。みたいな感じでね。色々言ってたら、ちょうど スーベニアっぽいのもアリだよねってモードになって。うん、そっからだね。よくできてる」


YOH「うん。刺繍もしっかりしてるし」


サンチェ「徳永さんのイメージでイラストをおこしたんですか?」


YU「そうそう、ピエロとか、サーカスとかね。ちょっと悪くしよっかとか。でラフを書いて、 結果こうなったと。特にこの首裏の「楽」っていう1文字は徳ちゃんぽいなって思ったし。後付けなんだけどさ、 楽しいとか楽だとか、音楽の楽でもあるし。なんか良いじゃんって。結果的にめちゃくちゃ良い話になったね(笑)」


サンチェ「イメージがピッタリですね」


YU「リバーシブルだから、ひっくり返すとこんな感じ」





YOH「へー。逆だとちょっとシックになるんですね。気づかなかった」


YU「「楽」推しになるから。 雰囲気がめっちゃ変わる」


サンチェ「秋冬の内覧会とか展示会でも、やっぱ人気でした。 本当にどこの地方行っても反響大きくて」


YU「もう1個の色もすごい良かったよね」


徳永「オリーブね。本当に色がまとまってんだよね。うん」


YU「ミリタリーのこの感じがなんか良かったんだよね。マジで」


サンチェ「雰囲気が変わりますよね。黒と。本当にちょっと古着っぽいオリーブ」


YOH「俺は黒の方をオーダーしたけど、こうやって見るとオリーブもめっちゃ良いな」


サンチェ「そんなYOHさんは2022年にLINOFORTY(リノフォーティー)(※3)というブランドを立ち上げましたね。新たな一歩を踏み出しました」


YU「てゆうか、VIRGOの初代クレストパンツ(※3)も実はYOHと二人でデザインしたんだもんね。さすがに、もう言ってもよくない?」


徳永「ね。あの最初のやつでしょ?」


YU「そう。ウチの事務所でパタンナーと面と向かって打ち合わせして、ここはこうしてくれっつって作って。デザイナーとしては絶対名前出さないでくれってYOH本人の意向だったからこれまで伏せてたけど、陰でそんな姿も見てたから嬉しいよ」


YOH「クレストパンツはいろんなバンドマンに履いていただいてるみたいですね。その結果を経て、ちゃんと0からブランドを始めてみようと思ったんです」


YU「ちなみにVIRGOのdad:g(※4)ってラインもYOHがシークレットでデザインしてたり」


YOH「dad:gはドロップDのチューニングからきたネーミングですね。そういえば、数年前にプロモーションかなんかで名古屋のラジオ局に行った時、これまでゲスト出演してきたミュージシャンのチェキがフロアの壁にブワーって飾られてて見てたんですよ。そしたらTOSHI-LOWさんがdad:gの黒のタンクトップ着て写ってて。本人には直接伝えられてないけど、あれ嬉しかったんだよなー」


サンチェ「LINOFORTYの今後の動きも楽しみですね」


YOH「まだプライベートブランドのような形ですが、VIRGOのように大きくなれるように一歩ずつ頑張ります。よく取引先に「お世話になっております」って使うけど、今までそんな言葉を使ってこなかった人生だったんで、めっちゃ新鮮ですよ(笑)」


徳永「そっか。バンドのいちメンバーってなると、使う時ってそうそう無いもんね(笑)」


YOH「これまでの人生、2段、3段飛ばしくらいで階段をかけ登ってきた感覚もあるんで。コロナ禍に自分自身の人生を振り返って「このままでいいのか?」って問いかける瞬間もあったりしたし。0地点に戻りながら、音楽だけじゃなく、好きな服作りもしながら一段ずつ階段を踏みしめている感じですね」


徳永「なるほど、そういう視点なんだね。YOHって」


サンチェ「そんなLINOFORTYから近々、素敵なトピックがあるとか、ないとか」


YOH「はい。絶賛進行中なんで、もう少し待っていてください」


YU「そうだね。乞うご期待ということで(笑)」






TOKUNAGA TAKASHI×VIRGOwearworks



■プロフィール

YOH (ORANGE RANGE)

沖縄出身の5人組ロックバンド。ロックやヒップホップなど多彩なジャンルを融合し、「花」など多数のヒット曲を生み出す。現在ORANGE RANGE LIVE TOUR 024 〜タコス DE ピタゴラス〜のツアー中。来年1月11(土)にNHKホールにてツアーファイナルが開催!!


徳永 貴士(スタイリスト)

スタイリスト本間良二氏に師事。

2002年 フリーランスのスタイリストとして設立、カッティングエッジなスタイルの雑誌からストリートスタイルの雑誌、アーティスト、俳優、アイドル、ミュージックビデオ、テレビなど多岐に渡り活動を展開する。




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※1)RYAN TAKAHASHIのブランド「WEST SIDE」、Yu Kitajoとサンチェが一緒に働いていたショップのブランド。

※2) とんちゃん通りの2階にあったみんなの溜まり場的カフェバー「Reissue」

※3) YOH (ORANGE RANGE)がスタートさせたアパレルブランド「LINOFORTY」





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